「知財経営」でより強い組織とビジネスへ!


知財経営が強い組織とビジネスにつながるイメージ

「知財経営」の社内定着活動実践中

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追記:2021年9月27日(月) 技術経営の記事も執筆しました。
「技術経営」でより強いビジネスへ!~技術の管理方法を試行錯誤中~
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こんにちは風間です。

ここ数年間、私たちは弁理士や知財アドバイザーの方達とともに「知財経営」に取り組んでいます。取り組みの中で何を学び、どのような動きを進めているかについて説明していきます。この分野を強力に推し進めていきたいので、弊社に興味がある方がいましたらご連絡ください。

結論からですが、知財経営に取り組んだ結果、ビジネスや技術について深く考えるようになってきました。今後は、「我々が行っていくこと=特許出願」という考えの癖をさらに社内で浸透させ、知財のコストパフォーマンスを数字で算出できる組織を目指しています。

たとえば、最近行った特許出願については、「我々の技術は何が優れているのか?どういう工夫をしたのか?」ということを繰り返し議論しました。しかし、一方では「我々は何をしたいのか?その文脈でその技術をどのように活かしたいのか?」ということも繰り返し議論しました。関係者同士が熱くなって喧嘩をしたのを良い思い出です。。。

技術の追求だけでは独りよがりになってしまいビジネスでは活用のできない特許になってしまうこともあります。一方、ビジネスでは仮にその部分が抑えられると強い特許になりそうだが果たして特許が取れるのかというそもそも論になってしまうこともあります。そのため、ビジネスと技術の両方をしっかりと考えなければいけないことを強く学びました。

加えて、我々の技術を明確にし特許を取得していく動きと、他社の特許に抵触していないかを調べる動きは、必ずしも同一線上に来ないため、知財の攻めと守りを両方考えなければなりません。

ここ数年間、知財に関するアドバイザーと協力し、社内で知財経営を推進してきましたが、知財は本当に奥が深いと感じました。



知財のコストパフォーマンスを数字で算出

特許や商標の出願は無料ではありません。我々のような小さい組織では、しっかりと費用対効果を見た上で出願をしなければなりません。また、知財を扱う専門の従業員もいないため、各チームのリーダーが集まって特許出願など知財に関わる動きを進めてきました。最初は知財特有の慣れない考え方に戸惑いましたが、ずっと考えているとビジネスの旬を逃してしまうため、力づくでも前に進めなければなりません。いわば、「頭と体をフル回転して100 m を走りきる」という感じでしょうか。

大変ではありましたが、少しずつ社内定着が始まっています。まず新しい機能を実装したり、新しいサービスを開発する時は、「どこが特許出願ができるか?」ということを自然に考えるようになり、自然と特許を出願するレベルまで考えを追い込む癖がついてきたと言えるかもしれません。この点は、知財に関する動きには各チームのリーダーが関わっていたことが良かったのかもしれません。

極論ではありますが、「我々が行っていくこと=特許出願」が一致してくれば、その特許により売上がどのくらい上がったか、あるいはどのくらいコスト削減できたのかが見えてきます。そうすると元が取れたかどうかの判断ができるため、余剰分を次の特許出願の動きに当てることができます。

知財はなかなか見える化が難しいため、余裕がなくなると対応の優先順位も下がってきてしまいます。意識をしないと、気づいたら数年間何も行っていなかったということにもなってしまいます。

一つ一つの動きに対して数字を算出すること自体も難しく、そこに知財を絡めていくとさらに複雑になることは分かっています。ただし、動かなければ始まらないですし、一歩一歩を積み重ねていかないと知見も溜まりません。

簡単な道のりではないですが、毎日意識をして、これからも社内に浸透させていきたいと思います。無意識のうちに「知財経営」ができるようになっている頃には、我々の事業もさらにおもしろい領域に進んでると思います。