タイヤプロファイラー開発のキッカケ
先日、新聞記事にも取り上げていただきましたタイヤ自動検品装置(タイヤプロファイラー)について、開発の背景などをまじえて紹介いたします。
倉庫に荷物を預ける場合、預ける側である寄託者は預ける荷物の詳細を記載した書類を提出し、受託者である倉庫業者はその内容に誤りがないか確認作業(検査)します。
タイヤ預かりサービスでも同様に確認作業を行いますが、その特性上、タイヤサイズやホイルの種類、傷の有無も一本毎に確認をすることが求められます。特にタイヤサイズは、保管料金や配送料金に直結しているので、正しく料金を請求するためにも正確な情報を求められます。
現在、これらの確認作業は目視で行われており、作業者の負担が大きいことが課題となっています。
そこで、タイヤの状態を写真で記録し、さらにタイヤサイズを自動的に判別できる手段が現場では求められていたことで、この自動検品装置の開発が始まりました。
開発〜試作と改良の連続/理想の測定を追求
自動検品装置への要望は
・タイヤの状態を記録できること
・タイヤのサイズを自動判別できること
です。
また、更に付加価値として
・タイヤの残溝(ざんみぞ)を自動計測できること
を加えて、自動検品装置の開発が始まりました。
「一本一本確認する」ということを前提に、作業台の最適な高さ、タイヤを正しい測定位置に小さな力で移動させる機構にたどり着くまでに試作を繰り返します。
電気回路的な試行錯誤は何度行ったかわからないくらい行いました。
瞬間的な消費電力に耐えられる機構、カメラ撮影時の照明の点灯位置、ノイズの入り難い配線方法、停電対策、やることは際限がありません。
さらに、ネットワークを通してデータ収集の仕組みも構築していきます。
リモートコントロールの仕組みの導入、クラウドとの接続方法の確立、セキュリティ対策、ソフトウェアでもやらなければならないことは山積みです。
さらに、倉庫の現場の流れを止めない工夫も必要です。
現場のフローを確認すると、許される撮影時間は数秒しかありませんでした。
要望には明記されていない要件を明らかにしてハードウェア・ソフトウェアの両面から開発を進めていく作業は多忙を極めます。
試作品を現場に入れた当初の現場からのクレームは膨大なものでした。
現場には多大な迷惑をかけながら、昼夜問わず対策と修正の日々は続きました。
我慢の限界を突破しているにもかかわらず、最後まで付き合っていただいた現場の皆様には本当に感謝しています。
試作を重ねて実用化へ!サービスリリースまでの道のり
試作品を数台経て、自社での運用も定着した頃に、サービスは協力会社様への導入決定でリリースされることとなりました。
倉庫会社の自社開発を他社向けにサービス展開するノウハウは全くない状況のなか、世の中の様々なサービスを参考に、サービスをリリースしました。
当初は、現場へ急行しなければならないこともありましたが、今では成熟したサービスと成長できたと自負しています。
開発後記〜タイヤ自動検品装置がもたらした現場の変革〜
倉庫現場では確認工程時間の劇的な圧縮を行えたため、タイヤ自動検品装置タイヤプロファイラーは倉庫現場にとって欠かせない存在となりました。
新しい価値を自ら創造できるのは、エンジニアの特権であり、その価値が評価されるのは、非常に喜ばしいことです。
このような機会に恵まれたことに感謝いたします。
また、開発中にご協力いただいた皆様に対し、改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。
タイヤパークでは、タイヤ保管のスタンダードサービスとするべく今後も邁進していきます。
引き続き、ご支援をお願いいたします。