「カスタマーサクセス」マインドの社内定着





カスタマーサクセスの書籍

こんにちは、風間です。

先日都内のSaaS系企業の方とミーティングをしたときに、カスタマーサクセスの書籍を紹介して頂きました。

とても良かったので、読み込んで、社内定着ができるように、早速「カスタマーサクセスチーム」を社内に立ち上げ、既存の行動計画にさらにカスタマーサクセスの要素を組み込みました。その一部を少し紹介致します。

  • 書籍名:カスタマーサクセス実行戦略
  • 著者:山田 ひさのり
  • 発行年:2020年
  • 出版社:翔泳社
  • 価格:2,200円(本体2,000円+税10%)
  • 翔泳社HP 冒頭画像は翔泳社HPより

様々な解釈はあると思いますが、私はカスタマーサクセスを「『お客様のビジネスを成功させる』という攻めの姿勢で、お客様の困りごとに対処しながら(あるいは、困りごとの芽を察知し事前に取り除き)、お客様のビジネスの成功のために必要な素材をしっかりと提供していく考え」と捉えました。

大きな気づき、事業フェーズと事業者が提供するもの

ビジネスには「オンボーディング期」と「サクセス期」というフェーズがあるという点は大きな気づきでした。

  • オンボーディング期:
    顧客がサービス・プロダクトの基本価値や利用方法を学ぶフェーズ

  • サクセス期:
    顧客がそのサービスを利用してサクセスする(=利益につなげる)フェーズ

加えて、事業者が提供するものとして、「機能」と「ユースケース」を分けて考えることの大切さも大きな気づきでした。

  • 機能(ファンクション):
    最低限のオペレーションができるための機能です。サービス説明資料、マニュアルや説明動画、説明会や研修などを用いたサポートなど、標準のオペレーションを快適に行って頂くために何ができるかを考えます。

  • ユースケース:
    「サービスはこのように使われています」という事例集のようなものです。経営層が「これ、うちの社内でもやってみよう」と、KPIを含めた情報提供を行えるとさらに良いです。

一般的にサポートというと、オンボーディング期の顧客の機能面のサポートに目が行きがちです。たとえば、サービス導入までの資料の充実化、マニュアルや各種機能の説明資料の作成といったものです。これらももちろん大切です。

しかし、サクセス期のユースケースの提供は見落としがちです。私もこの点への注視が甘かったのは、反省点です。

SaaS系のサービスは提供後一定期間が経つと、「戦略は自分で考えるから、意思決定のヒントになる情報だけ欲しい」という層が増えてきます。この層からは、機能面の明らかな不具合以外の報告はあがってこなくなることが多いです。

しかし、これらの方たちは、プラットフォーム全体のビジネスチャンスにつながる情報を持っていたり、サービスをさらに広げてくださる方たちでもあります。そこで、そういった方たちから、試行錯誤する中で上手くいった情報を聞いたり、最前線の困りごとを聞いて、それらをユースケースとしてまとめ、サクセス期の方たちに共有するという流れをしっかりと創る必要があります。そうすることで、成功事例の連鎖が起き、プラットフォーム全体に良い影響をもたらします。

カスタマーサクセスマインドから着想した行動

そこで、弊社としては、既存の行動計画の中に、カスタマーサクセスの要素を組み込み、行っていくことを再定義しました。実際は細かいタスクが数多くありますが、大別すると6つです。

  1. 機能面の全体的な質の向上
    ビジネスとシステムの安定性と質の向上は、事業継続の基盤のため、「当たり前のことを当たり前に行う」ことは徹底します。

  2. 関係者との定期的なミーティングの開催
    オンボーディング期、サクセス期両方のお客様の様々な困りごとや要望を定期的にお聞きします。

  3. オンボーディング期の各種資料の充実化
    まずはサービスを使って頂き、そして、サクセス期に移行して頂くために必要な資料を洗い出し、優先度を付けて、作成を進めていきます。

  4. ログや統計情報などの利用状況からのお客様の困りごとの推測と対処
    オンボーディング期、サクセス期の両方のお客様の顕在化していないが、不便に感じているポイントを察知して、さらに快適なサービスを提供します。

  5. 統計情報の見える化
    システム内の情報において見える化することで、意思決定の材料となるもののピックアップとそれを表示させる画面作りを行います。

  6. ユースケースの積極的なとりまとめと全体共有
    サービスをさらに活用してくださるように、意思決定層が判断できるように、KPIを含めたユースケースを作成します。そして、それらを共有し、さらに聞き取りを行うといった循環を作ります。

もっと多くの方に、もっと快適に弊社のサービスをご利用頂きたいので、今回の書籍から得られた知見を積極的に活かしていこうと思います。