パワースーツ購入の経緯
重いモノを持ち、体を使うことの多い現場では、足腰への負担を軽減することが課題となっています。安全性や質を保ちながらも作業時間を軽減させて、別の仕事の時間に充てることも重要です。
このような課題と目的から、中央海産ではドイツ製のパワースーツを購入し、倉庫で活用の実験を進めてきました。
パワースーツの実際の効果
このパワースーツは最大36キログラムの補助が可能です。重いタイヤを30分間持ち運ぶ実験では、主観的な疲労感が6割程度減、肉体疲労は3割程度減の効果がありました。特に腰の疲労においては、ほとんど疲労感なく、作業することができました。
他の使用法では、重い荷役のサポートの他に、作業者の動きからデータを取ることが可能です。具体的には、「作業の危険度の測定」「歩行・持ち上げ下げの割合」などのデータの取得が可能です。このデータは、作業者にとって危険な作業工程を可視化したり、無駄な歩行を可視化したりすることで、最適なオペレーションを実現することに役立ちます。

パワースーツの課題
パワースーツの活用には課題もあります。パワースーツの自重があり、1時間を超えるような連続の使用が難しく、着用の疲労感もあるため着用者を選ぶこと。幅を取るため、狭い場所での使用は難しいこと。腰・背中への補助はあるが、腕・手への補助はなく、疲労感が溜まること。などが課題です。最後に
中央海産では、パワースーツで危険と測定された作業工程の見直しの他、重いタイヤの荷役が連続する際にパワースーツを活用し、作業者の健康・安全に役立てています。また、このような現場の変化に関して、企業が成長、発展していくためには向かう先を見定めて変化し続けることが重要です。変化にはうまくいく部分といかない部分があります。うまくいかない部分もある、と認識しながらも、現場の困りごとから仮説を持ち、実験し、その過程から実体験として知見を得て、さらにその知見を次に生かしていくことに価値があると考えています。
これからも倉庫で実験を重ね知見を得て、質の高いサービスを保持しながら、合理的に楽ができるような環境づくりに奮闘していきます。